建築士になるまでに

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「けんちく」のプロを目指して

住宅における業者の選び方

皆さん、こんにちは。mitsukiです。

  

私は「人が家を買う」ということについて、常々思うことがあります。

 

ハウスメーカー、工務店、設計事務所…

 

とにかく選択肢が多すぎる!

 

と。

 

私はいまこうして設計事務所の所員として日常的に建築に携われる環境にいますが、一般の方がそういった環境に身を置くことはなかなかありません

 

にも関わらず実際に家を買うとなれば、ほとんどの方がと急ごしらえで住宅の勉強を始め、付け焼き刃の知識事を判断していかなければならない状況にあります。

 

今回はそんな方々に、ひとつ判断材料をお話したいと思います。

今後マイホームを検討している方を含め、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

住宅の寿命は何年?

 

本題に入る前にひとつご質問を。

 

皆さんは戸建住宅の寿命をご存知ですか?

 

風説によると木造30年、鉄筋造(RC造)は60~80年とあります。

 

これをもとに検討すると、

「予算的に木造住宅を検討しているけど、30年しかもたないんじゃ子供にも譲れないな~」

 

なんて思いますよね。

一生のローンの対価が30年では少し心もとない。 

 

でも安心してください!

(さすがに古いか…)

 

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木造住宅30年という数字。

これは住宅のメンテナンスにお金をかけなかった場合の寿命です。

 

そう、建物は劣化するんです。

 

建物の経年劣化

 

当たり前のことですが、建物は竣工したその日から外に出っぱなしです。

 

外の過酷な環境の中では雨風はもちろんのこと紫外線や、海に近ければ塩害などにも晒され続けます。

そんな環境の中で全くのメンテナンスなしに健常な状態で建ち続けられる建物はまずありません

 

外壁はまず塗料からはがれ始め、防水機能も低下してきます。

更に放置でもすれば侵入した雨水は躯体に到達し、建物の骨格にも影響が出てきます。

 

建物内部においても、30年も経過した設備は新たに入居を考える人にとっては古すぎます。

たとえ親から家を譲り受けたとして、こんなキッチン使いたくないですよね?

 

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このような様々な不具合を解消しようと検討したとき、思いのほか費用がかさむことに気が付きます。

 

そしてどこかの営業さんに

 

「この金額なら新築と変わりませんね~」

 

などと言われ(いろいろな諸経費を考慮すれば、そんなことは絶対にないのですが…)、家を建て直してしまうのです。

 

これが日本のスクラップ・アンド・ビルドの文化です。

 

日本は災害が多いから建物が長くもたないという理由はもちろんあるでしょう。

しかし同時に、建物をメンテナンスして使うという意識が低すぎるのもまた事実です。

 

家はメンテナンスをキチンとすれば60年~80年は平気でもちます。

最古の木造建築物と言われる法隆寺は600年~700年近く経過しているようです。驚きですね。

 

何より建物はその国の歴史に彩りを与えてくれます。

海外の主要な観光地がそれぞれ素晴らしいのは、その国の風土に根付いた建物が独自の空気を形成しているからに他なりません。

 

しかし日本においては重要建築物以外はまるで他人事のように、建てたり壊したりを繰り返してていて本当に節操がないと思います。

 

先進国においてこれだけ新築住宅が盛んな国も日本ぐらいです。

(長くなるので、この話題はまた別の機会に取り上げます。)

 

そういう意味ではリノベーションが流行ったりという風潮は少しづつ良い方向に流れが来ているのかなと思います。

  

LCC(ライフサイクルコスト)

  

さて、長々と説明をしてしまいましたが、

この建物の寿命をひとつのサイクルとして捉えた考え方にLCCというものがあります。

(格安航空会社のことではありません!)

 

Life Cycle Cost

 

ライフサイクルコスト。

略してLCCです。

 

建物の維持にかかる費用の考え方です。 

少しだけ小難しい説明をするので集中してお聞きください!

 

建物の一生にかかる費用を10としたとき、

建設費にかかる費用が3割、修繕・運用にかかる費用が7割という試算が出ているのです。

 

そう、住宅の建設費用は長い目で見たら氷山の一角に過ぎないのです!

 

家を建てるのに2000万円かかったとして、そこから住み始めて・メンテして・解体して~、という一連の流れに5000万円近く かかる計算になります。

 

将来的なことを考えたときはこの5000万円がになってきます。

それを踏まえて最終章に入ります。

 

業者の選び方

 

やっと本題にたどり着けました…

要は何が言いたかったというと、

 

家を建てる = 業者との長いお付き合いのスタート

 

ということなんです。

そう考えたとき、目先の建設費は大した問題ではないはずです。

 

・あまり評判が良くない業者だけど、見積りは安かった。

あまり評判が良くない工務店だけど、工期が短くて済むらしい

 

そんなことに一喜一憂していないで信頼できる担当窓口、信頼できる施工会社を選んでください。

 

長く家を使おうと思ったら、メンテナンスのたびに業者とコミニュケーションを取る必要があります。

その度に「あの胡散臭い担当と話さなきゃならないのか…」なんて考えたくありませんよね。

 

結局家を建てるのも人と人です。 

 

設計士さんと密にコミニュケーションを取ればそれだけお施主さんの考えは伝わりますし、

大工さんを労ってあげれば、それだけ良い家を作ろう!という気になってもらえます。

 

そういった意味でも、やはり信頼できる業者を選ぶということが最も重要なことだと思います。 

  

建築ほど「安かろう悪かろう」という言葉が似合うものはありません。

(あえて付け加えるとしたら早かろう安かろう悪かろうとも言えます。)

 

あなたの建てた家が将来の負債にならないよう、目一杯良い家を建ててください。

 

 

おわりに


いつもご覧になっていだたきありがとうございます。

 

今回はあえて技術的・金銭的なメリットは触れずに話を進めてみました。

各社の特徴は一長一短がありますから、どの方法を選ぶかはお施主さんの価値観次第ですから。

 

しかしそういった特徴を抜きにしても、やはり気が置ける業者とつながることはとても大事なことだと考えます。

 

建てたあとで「こんなはずじゃ…」とならないよう、家作りにおいても人の見極めが肝心ですね。

 

それでは。